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それぞれの人がつづけていること。

先日、自給自足に一歩ずつ近づきながら暮らしている
家族のもとを訪れた。
米を育て、野菜を育て、その食卓でいただいたのは、
これまでに口にしたどんな食べものともちがうおいしさがあった。
おだやかに料理された野菜やパンは、
お皿の上に静かにたたずんでいた。

それぞれの人がつづけていること。_c0060254_16382953.jpg帰ってきたら、電気製品に囲まれた
うちの暮らしがあった。
寒ければスイッチひとつで
ホットカーペットがついた。

パン屋さんになることを運命づけられたような人は、
誰にも教わらず、本すら開かず、
自分の五感だけを頼りに
パンをつくった。わたしの体にも脈々とつながる記憶の
はるか向こうからやってくるような味がした。
なつかしくてうれしかった。

沖縄にきて経済的苦労を味わっていなければうそだろうという気がする。
そう言った食堂経営者は、苦労を投げださなかった。
こんな食堂があったらいいなを形にした。

今日も紅型作品をつくりつづける人がいる。
今日もシーサーをつくりつづける人がいる。
わたしは彼らのことを今日も書きつづける。
地に足はついていないと思う。
それでもつづけると思う。
うわついたことだけはしないようにして、
いつか地に足がつくように。

沖縄の冬は曇天雨天。でも今日は晴れた。
ひさしぶりにふたりで海を見に行きたいな。
# by u-wakaroku | 2006-02-02 16:42

野口健さんの講演会。

野口健さんの講演会。_c0060254_9534466.gif
・情景描写がうまく、風景がありありと目に浮かんだ。臨場感があった。
・専門的なことも素人がはじめてそれを手にとる時のような
 感覚を再現してくれて、わかりやすかった。
・偉業やまじめな話を笑い話にかみくだいてくれたので、近く感じた。
・ひとりの人間、一国の立場だけの目線からではなく、多角的だった。
 自分の視点も広げる必要を感じた。
・リズムがよかった。

きのう、野口健さんの講演会を聴講した。
以前に本も読んでいたので、さらにいっそう楽しめた。
わたしは一生トークは上手にならないと思うけど、
書くときもおんなじだ。
書いている原稿に、なにか物足りなさを感じている時は、
↑のようなことが欠けているからではないかしらん。
と、仕事にも役立つお話だった。

もちろん内容も聞き応え十二分。
HPに講演会の予定も記載されてあるので、近くにお住まいの方はぜひぜひ。
# by u-wakaroku | 2006-01-30 09:51 | 未分類

記事掲載報告。

 山口未可さんが「わたしはすごく不器用だから」と口にするたびに、ある少年のことが頭に浮かんだ。
 にぎやかなお祭りの日、とある村の小さな公園。子どもがおおぜいいて、気弱な少年はめあてのブランコに近づくことすらできないでいた。他の子どもたちがさんざん遊んで、飽きて、ようやく空いたブランコ。臆病にゆらしながら、幼い顔いっぱいに浮かべた笑み。
 不器用だが彼は知っていた。待つこと。辛抱強く待つこと。ゆっくり近づくこと。体じゅうでよろこぶこと。何かに感謝すること。楽しさをふりまくこと。
 泣いたり、すねたり、癇癪をおこすよりも、笑っていたほうがいい結果を招くことを、性格ゆえなのか、環境が導いたのか、幼いながら彼は知っていた。

記事掲載報告。_c0060254_19113874.jpg 「わたしの器は、陶芸をしている人、作る側から見れば、ここはもっとこうしたほうがいいと言いたくなるところがたくさんあると思うんです。でも使う人にとっては、それがかえって安心できるよう」
 自分の器が人に受け入れられる理由を、独特の「ゆるさ」だと言う未可さん。
「自分はこうだ!と強烈な個性を主張して器をつくっている人とはちがう。自分を出そうとするとだめ。隠しても、隠しても、それでも結果的に出てくる人間性、隠せない本質。そういうやり方がわたしにはあっているんです」
 言い切れるまでには、長い道程がある。

つづきを読む
# by u-wakaroku | 2006-01-23 19:13 | 「IDEAにんべん」のしごと

パン屋さんの長い一日。

朝5時。小鳥の声もまだ聞こえず。
パン屋さんの長い一日。_c0060254_13392964.jpg
生地から空気を抜く低音だけが響きつづけた。
パン屋さんの長い一日。_c0060254_13395229.jpg
雨はあがり、空は青みはじめ、神々しい光があたりを包んだ。
パン屋さんの長い一日。_c0060254_13401752.jpg
夜までその家族とともに。子どもたちの話にも耳をすませた。
# by u-wakaroku | 2006-01-20 13:43 | 「IDEAにんべん」のしごと

一年後にはモノゴトの見方が変わっているだろう。

週末の過ごし方も変わってきている。
準備。調べもの。日曜日も仕事の顔。数字にも敏感に…。
きもちの余裕をなくさないようにしないとな、
とふと思う。
福島さんからいただいたからこそ響いた言葉。
「いろんな壁にぶつかると思いますが、体当たりして突き破ったり、
 キリで穴をあけて通り抜けたり、飛びこえたりして、
 その時その時の作戦を考えて、二人で乗り越えていってくださいね」

一年後にはモノゴトの見方が変わっているだろう。_c0060254_9404264.jpg写真は那覇にいた頃、
毎月シンヤがダンボールに
描いていたカレンダー。
わたしが思っている
「きもちの余裕」とはこういうこと。
このカレンダー、好きだったな。
# by u-wakaroku | 2006-01-15 09:39